睡眠専門外来 開設のお知らせ
このたび、医療法人 雄仁会 加藤病院では、睡眠に関するお悩みに専門的に対応する「睡眠専門外来」を新たに開設いたしました。
現代社会において、睡眠の問題は年齢や性別を問わず広くみられます。不眠症をはじめ、過眠症、概日リズム睡眠障害、睡眠時無呼吸症候群、むずむず脚症候群、レム睡眠行動障害、夜間の異常行動など、その症状は多岐にわたります。これらの問題は、単に「眠れない」「日中に眠くなる」といった一時的な不調にとどまらず、うつ病や認知症、高血圧や糖尿病などの慢性疾患とも深く関連し、生活の質(QOL)にも大きな影響を及ぼします。
当院の睡眠外来では、精神科専門医が診察を担当し、心身両面から原因を評価した上で、適切な診断と治療を行います。必要に応じて、睡眠日誌やアクチグラフ(睡眠活動計)、質問票などによる睡眠評価に加え、他院との連携によるポリソムノグラフィー(終夜睡眠検査)などの精密検査もご案内いたします。
治療法については、睡眠衛生指導や認知行動療法などの非薬物療法を基本としながら、必要に応じて薬物療法も組み合わせていきます。特に、ベンゾジアゼピン系薬剤の長期使用によりお悩みの方には、段階的な減薬や代替薬の検討も含め、安全かつ効果的な治療を心がけています。
また、加齢や神経疾患に伴う睡眠の質の低下、ADHDや発達特性に関連する睡眠障害にも対応しています。とくに最近では、未治療ADHD成人における睡眠構造の特性についての研究(Journal of Attention Disorders, 2023年)を通じて、当院でも専門的な知見を臨床に活かしています。
「なかなか寝つけない」「夜中に何度も目が覚める」「朝起きられない」「昼間に強い眠気がある」「家族にいびきや無呼吸を指摘された」「寝言や寝ぼけ行動が多い」など、お悩みの内容は人それぞれです。どんな些細なことでも構いませんので、一度睡眠専門がいる当院医師にご相談ください。
私たちは、患者様一人ひとりの「よく眠れる日常」を取り戻すことを目指し、丁寧な診療を心がけてまいります。ご相談は予約制となっておりますので、ご希望の方はお電話または受付窓口までお問い合わせください。